『知っておきたい日本の神話』 瓜生中著 角川ソフィア文庫
誰に向かって書いてるのかがよく分からないせいで、随分書きにくい。ので、あくまで自分のメモ程度のつもりで。。。笑
なぜこの本を読んだのかといえば、神だの仏だのに関しての知識があまりにも無いので、幾らか補っておきたいと考えたためである。そんなわけでこの本を読んで、日本の神話に関する知識がゼロだったことに恥ずかしさを覚える程度には新しい知識を身につけられたと思う。
まず第一前提として、神話は「誰かによって描かれたものである」という事について。普通に考えれば至極当然なことであるが、神話も、人間の手によって「創り上げられた」モノなのだ。即ち、日本の神話は、天皇家の遠い遠い遠い祖先が、自家の支配者としての正統性を示すために編んだものなのである。そう考えると、なるほど天皇家が現人神として君臨していたことにも納得がいく。なにせ、自分の祖先(実在したかの真偽は不明)を神話の中で「神」として掲げ、自分をその血統を継ぐものとしたのである。
神話について学ぶことで天皇制の一端を理解できるとは毛頭思っていなかったので、この点はとても勉強になった。
また、全国には伊勢神社や出雲大社など知名度の高い神社があるが、それらが祀っている神々は日本神話に登場する神々だということも本書を通じて知った。
神社には出向くが、誰に願っているかも分からずともかくも手を合わせる。そんな日本人が大半だとは思う。しかし、祀られている祭神がどういったルーツを持っているのか、どういった形で神話上に登場するかを知っているだけで、随分と祈りに現実味を帯びてくるような気もしないでもない。。
しかし、神話は長く、登場する神々は無数にいる。そのため神話の全てを把握することは到底不可能だが、主だった物語に触れ、神話の流れを掴むには当書は最適であると思われる。
総じて、身になる部分がとても多い本であった。その上、軽く読み進められるのがなお良かった。